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非武装国家とはイスラエルにとっては

 投稿者:三浦小太郎  投稿日:2009年 6月29日(月)08時04分24秒
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  今イスラエル政府が言う(これは全てのイスラエル国民がそう考えているとは思いませんが)パレスチナの非武装国家というのは、結局現状を見れば、武装解除され、ロケット弾すら撃てない状態、つまりイスラエルにとって全く言いなりの、自治区以下の存在にされることとほとんど同義語だと思うんですよ。

私はPLOの武装力が最も強かった時期は、レバノン・ベイルート戦争の時だったと思いますが、それでもイスラエル軍はパレスチナの抵抗をものともせずベイルートを占拠する勢いでしたね。それを考えれば、パレスチナが仮に自衛力を持っても何の力にもならない、かえって戦争を正当化するという主張にもかなりの理はあるかもわかりません。しかし、結果論を言うわけではないのですが、あの時はPLO指導部は全力をレバノン南部に集結させて徹底的に抵抗することが出来ず、ある程度の部隊をベイルートなどに配置し続けなければならなかったわけです。

これは、簡単に言えばベイルートのキリスト教右派民兵との対立が存在しており、後方の治安を維持しなければならなかったからですね。ま、この辺は伊藤正孝氏の受け売りですが、私は多分正しいと思います。
仮に独立国家として存在できれば、このような難民としての不利な立場からは脱却できるはずです。「アラブの大義」といった理論だけではなく現実的な軍事同盟や安全保障条約を各国と結ぶことも可能ですし、場合によってはアメリカとだってもっと交渉可能になるかも知れない。イスラエルの言う非武装独立と言うのは、そういう可能性を一切パレスチナから奪うことに他ならないと考えます

その道と、今のまま難民として国家をもてない状態が続くか、非武装国家として、国際世論やイスラエルとの外交交渉だけで平和を維持する道を選ぶかと言うことになれば、(勿論最後にはパレスチナ人自身が選択することですが)やはり独立国家と自衛力の保持は可能性として最も高いものだと思います。

勿論、レバノン戦争以降、PLOの軍事力より遥かに国際社会にパレスチナへの同情をかきたて、イスラエル軍内部にも動揺を引き起こしたのは、石ころだけを武器にしたインテイファーダでした。ですから、軍事力よりも民衆の勇気と抵抗精神の方が、事態を変えた事も確かですね。おそらく、rom12さんは、私とはまた別の形でのこの問題の解決をお考えになっているのだろうと思いますし、イスラエルの国家意識の危険な部分、例えば大イスラエル主義とかの全面的変貌なくして、軍事・政治の次元だけで、パレスチナが独立すればオーケイみたいな議論がされる事には疑問をお持ちなのだろうと推測しますが、そこはむしろ積極的にご自分の提案や問題提起をしてくださればと思います。多分私にとって学ぶ所は多いと思います。

ちょっとずれますけど、例えばダライ・ラマ法王が、チベットの独立は言わずに「高度な自治」を主張し、その代わりにチベット地帯の完全非核化、非武装化などを提言していましたね。これはこれで、平和主義の理想だけではなく、中国に対抗する政治的・外交的なかなり高度な手段だったと思います。ただ、この手法は中東ではやはり難しいのではないかなあ。私は今でも、クリントン、アラファト、ペギンの三者が、失敗したけど妥協を求めて議論したやり方、あれが中東問題を解決する為の最も現実的な路線だったと考えています。
 
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